かもめ島マリンピングでは現在、江差高校さんと連携した体験プログラム作り「江差高校 地域学×かもめ島マリンピング」を進めさせていただいております。
地域学の授業内で地元のことを考えながら、地域の観光振興に参加してもらおうという教育的試みです。
実は今回、この取り組みを目にされた東京の学校から「私たちの学校でも授業をしてもらえませんか?」というお誘いが舞い込んだのです。
もちろん、即答させていただきました。
オンラインで146名を対象に授業を実施
開陽丸青少年センター会議室と板橋区立板橋第三中学校そして各生徒の自宅をオンラインでつなぎ、7月2日(土)8:45~10:35の日程で、2年生146名を対象に同中学校「土曜ICT授業」の中で開催したこの授業。
板橋第三中学校さんでは、2年生社会科授業の中で「エコツアープラン作り」という題材の取り組みをしておられます。生徒さんたちに「海」や「自然」との関わりを持ってもらうため、これらのテーマをもとにして「歴史」「文化」「地域」を知ることのできる体験ツアーを考えてみよう!という内容だそうです。実際にツアーを実施するということではないそうなのですが、ツアー作りを通じて色々な考えや学習につながることでしょう。とても素晴らしいですね。
江差のほか、九州や沖縄もツアー作りの候補地として後日授業があるそうなので、なかなか強敵揃いですが、担当者の性格上、思いっきり火がついてしまいました。
まずは江差とかもめ島の魅力を紹介
おそらく予備知識のないであろう東京の中学生の皆さんに、江差の魅力をどう伝えたらよいか?
予想ではありますが、北海道と聞くと「広大な平野」などの広いロケーションをイメージしてしまうはずです。ですが、江差はそういった部分を特徴とする町ではありません。海洋環境に恵まれているという北海道共通の良いところにあわせ、「歴史・文化に彩られた魅力あふれる町」であることを強調しようと思いました。
社会科の学習にふさわしい「江差の文化」、子どもたちが行ってみたいと感じられる「かもめ島のロケーション」を中心に説明することにしました。
観光目線から、「海」に関心を向けてほしい
私たちは常日頃、イベントやツアー企画の際に「学び」と「ストーリー」を重視しています。
何に出会い、どこで自分の中の新発見を見出し、どういった時間に包まれるのか、です。
人々の観光への考え方は、ただ名所を網羅する「モノ観光」から、体験や向学心を満たしてくれる「コト観光」へ変わりつつあります。アドベンチャーツーリズムやエコツアーにしても、学校の学習旅行にしても、人々は「旅の目的」を明確に持つようになってきました。
質問タイムで気付いたのですが、現代の生徒さんたちはこれを当然のことと受け止めているようです。物質的な欲求はすでに満たされ、求めているものは「出会い」や「発見」なのですね。「学び」に直線的につながる感性を持ち合わせている現代っ子がうらやましいです。
今回の機会に、江差を単なる観光地でなく「海を見つめられるまち」として理解してほしい。
観光を通して人々が目を「海」に向けるようになる、そんな江差のエコツアー作りを提案しました。
先輩たちの取り組みを、ぜひ参考に!
これからエコツアープラン作りをしていく板橋の生徒さんたちに、先行して同様の取り組みをしている江差高校の事例を紹介させていただきました。
観光商品を作っていくプロセスや、考え方を共有できればいいなと思います。
最後に、先生からは「今後もマリンピングと何かの形で関わっていきたい」と言っていただけました。
校長先生も「学習旅行で子どもたちを江差に連れていきたい」とお話されておられました。
今回の授業だけでも実り多い出会いの場でしたが、さらに学校連携の輪が広がり発展させていけるよう思いを新たにさせていただける、そんな貴重な機会を頂きました。
いろいろと江差の細かい部分にまで興味を示し、質問をぶつけてくれた生徒の皆さん。
様々な手配やご配慮を頂き、私たちに声を掛けてくださった輪湖先生。
本当にありがとうございました。