かもめ島を知り、かもめ島と海に親しみを持ってもらうための定期開催イベントが始動
自然豊かなかもめ島は、防波堤で街と結ばれた島です。
これは言い換えれば、豊かな自然環境が街からすぐの場所にあるということ。
この環境を活かした学びや体験を皆さんに楽しいプログラムで提供できないか。
そんな発想から生まれたのが、このプログラムです。
「じゃあ季節ごとに開催しよう」
「さらにその観察データを残し公開しよう」
いろいろなアイデアが生まれる中で「季節によって異なる島の動植物を記録したい」
もっと長い視点では「島の生態系の変化を記録できるのではないか?」
結果として、通年定期開催での長期プログラム構成となり、10月9日に
秋バージョンで第1回目を迎えることとなったのです。
1時間目「先生と一緒にかもめ島の自然観察」
いきなり「自然観察してください」といっても、難しいもの。
何を見たらいいのか、どう見たらいいのかを先生に教わりながら体験してもらう予備学習的な位置付けとして準備されたのが1時間目。
実はかもめ島は、かつては大きな木が育たず荒涼とした島でした。
強い海風の影響でなかなか大きな植物が根付かず、仮に根付いてもすぐに立ち枯れてしまって下草も育たない、昔はそんな環境サイクルを繰り返していたのです。
やがて防風林の役割として、島の上にある土壌部分にクロマツやカシワ、ナラや桜、江差を象徴するヒノキアスナロなどが人の手により植えられるようになってから今のかもめ島の姿に時間をかけて変わっていったのです。
芝生も綺麗に整えられ、今では多種多様な野鳥が訪れて蝶やトンボが飛び交い、野花が咲き乱れるかもめ島で子どもたちは普段触れない自然の中に入っていきます。
2時間目「自由観察タイム」
1時間目の解散後、海に残って魚の観察に挑戦したい子、外洋側の岩場を見てみたい子、もっと植物を観察したい子などそれぞれが自由に島内を観察。
各分野の先生についてもらって、携行した観察シートに見たものの名前や特徴を記していきます。
後半部分では灯台ふもとの特設会場に戻り、みんなでここまでの成果のまとめあげをしていきました。
タイドプールで魚とりに挑戦 岩場の可愛い多肉植物を観察 タープ内で成果報告
3時間目「海の生き物集め」
予定していた磯船乗船は翌日の時化の予報を受け、島周辺で行われていた秋鮭漁の日程変更があったため残念ながら中止・変更となってしまいました。
沖に出てもらい、潮風を感じながら外洋での仕掛け網の回収体験を予定していたのですが、そこはさすがの漁師さん。
代わりに前日に仕掛けておいてくれた網にかかった魚を、いけすで生かしておいてくれて助かりました。
空いた時間にはカニ釣りにも挑戦してもらい、この日一番の盛り上がり。
初めてのカニ釣りに大興奮 大人も熱中するのがカニ釣り ハゼ・カジカもたくさん!
いけす引き上げはみんなで力を合わせ行い、サメやソイ・大きなカニなどに歓声が上がります。
屋内会場の水槽に生簀の魚やそれぞれが採集した貝やヤドカリを移し、じっくり観察もできました。
いけすがやけに重い! 漁師さんも想定外の大漁! 町長も交えて記念撮影
子どもたちに「生きた海洋生物を間近に見てもらいたい」という思いは、無事叶いました。
4時間目「マップ作り・まとめ学習」
生き物や植物を見つけた場所にシールを貼り、マップを作製。
シールの分布から何が読み取れるか、これは研究者などもフィールドワークの成果として実施している学術的な体験です。
結果として、島の内湾側のほうが外洋側より生物や藻、植物が多いことに気付くことができました。
風や波も内湾の方が穏やかですから、生態系の多様性も生まれやすいんですね。
生き物は優しく扱おう マップ作製に挑戦中 説明も熱心に聞き入ります
最後はそれぞれの分野の先生からの補足説明です。
海鳥や渡り鳥に興味を持って生活してほしい。
絵本読み聞かせを通して、植物や海に親しみを持ってほしい。
海洋生物汚染について知って欲しい。
各分野が海との関わりを交えて解説し、最後に給食タイムのBBQを楽しんで一日の楽しいプログラムは終了しました。
現在、マッピング、データベース化のプログラム構築中!
翌日、参加者の親御さんから子どもたちが撮影した画像データが運営事務局に送られてきました。
これらの画像のGPSデータをもとに、地図上で撮影した画像とその名称が見られるようなプログラムを作成中です!
同時にそれらの動植物の説明や当時の状況なども加えた、観察データ一覧もスプレッドシートにして残そうと考えています。
年内には江差町の観光ポータル内にて一般公開を予定していますので、興味があればチェックしてみてください。
お腹いっぱい食べてね! 急ビッチで公開準備中です! 鳥居前で海プロ記念撮影!